
タパス(Tapasu) とは「進化を続け変化を受け入れる」という意味
タパス(Tapas)は、ヨガ哲学におけるニヤマ(勧戒)の3番目にあたる概念で、サンスクリット語で「熱」「努力」「自己鍛錬」を意味します。ヨガの八支則(アシュタンガ・ヨガ)の一部として、パタンジャリの『ヨガ・スートラ』に記載されており、心身を浄化し、精神的な成長を促す実践です。
- 基本的な定義: タパスは、自己規律や努力を通じて、心と体の不純物を焼き尽くし、意志を強化するプロセスを指します。文字通り「熱を生み出すもの」として、修行や忍耐を象徴します。
- 哲学的背景: ヨガでは、怠惰や執着、無知といった心の障害(クリシャ)を克服するために、内なるエネルギーを高める努力が必要とされます。タパスはそのための実践です。
タパスの実践
身体的な側面:
- アーサナ(ポーズ)やプラナヤマ(呼吸法)を継続的に行い、体を鍛える。
- 過食や過眠を避け、健康的な生活習慣を維持する。
精神的な側面:
- 快適さに逃げず、困難に立ち向かう勇気を持つ。
- ネガティブな習慣や思考パターンを変える努力をする。
日常生活での応用:
- 早起きする、集中して仕事に取り組む、新しいスキルを学ぶ。
- 誘惑(例: ジャンクフードや過度なSNS)に負けず、目標に向かって進む。
ヨガにおける目的
タパスは、心身に「熱」をもたらし、不純物や惰性を焼き払うことで、内面的な強さと明晰さを育みます。『ヨガ・スートラ』(2.43)では、「タパスによって不純物が取り除かれ、身体と感覚の完全性が得られる」とされています。これにより、瞑想や自己探求が深まり、精神的な進化が促されます。
現代での意義
現代では、タパスは自己啓発や目標達成のための努力と結びつきやすい概念です。例えば、フィットネスや勉強、キャリアでの挑戦を続ける姿勢は、タパスの精神に通じます。ただし、無理やり苦行をするのではなく、自分を成長させる「健全な努力」が重視されます。
タパスと他の教えとの関係
- シャウチャ(清浄)→ タパスの努力が心身を浄化し、清らかさを高める。
- サントーシャ(満足)→ 努力の過程に満足を見出し、結果に執着しないバランスが大切。 タパスは、他のニヤマと調和しながら、内なる変容をサポートします。
これら、ヨガの教えは、ポーズをとることによって、自身の心と身体の結びつきで意味合いが一層感じることが出来るはずです。そして、それが日常生活にも活きていくものと考えております。ヨガはもちろん、普段の生活を、さらに快適で楽しく過ごしていきましょう。